山行データ
| 山名 | 蝶ヶ岳(2,677m) |
|---|---|
| エリア | 北アルプス・常念山脈 |
| 日程 | 2026年5月16日(土)〜17日(日) 1泊2日 |
| 同行者 | お客様 3名様 |
| 天候 | 両日とも晴れ |
| 行動時間 | 1日目 約7時間30分/2日目 約8時間 |
蝶ヶ岳から望む、残雪をまとった穂高連峰の大展望は、僕が一番好きな景色のひとつだ。五月の中旬、麓には花が咲き、上部にはまだ雪が残る。ひと山で春と冬の名残を同時に味わえる、特別な季節。今回はお客様3名様と、その稜線へ向かった。
樹林帯にはニリンソウとサンカヨウが点々と咲いていた。

コースの上部三分の一ほどで、ようやく雪面が現れる。昨年は半分が雪に覆われていたから、今年は随分と雪解けが早い。ここからアイゼン。3名はまだ歩行を練習中で、傾斜の強い斜面はちょうど良い実践の場になった。常念岳を背にして、アイゼンの爪を踏みしめる。
登り切ってアイゼンを外し、なだらかな稜線へ踏み出す。 目の前に、残雪をまとった穂高連峰が、一気に広がった。 何度見ても、この瞬間の感動は色褪せない。
夕方。太陽はゆっくりと、穂高と槍を分かつ大キレットの底へ沈んでいった。空が橙から藍へと移ろう時間を過ごした。
陽が落ちきる頃、稜線で雷鳥が姿を現してくれた。岩陰からひょっこり現れ、しばらく夕焼けに黄昏れ、そっと去っていった。

翌朝も空は澄み渡っていた。お客様と山の話が尽きなかった。今年は穂高や表銀座を目標にされているという。眼前の山々を指しながら、ルートを話した。次に登りたい山を目の前にしながら語り合える——ガイドという仕事の醍醐味だと、いつも思う。
雪、花、大展望、雷鳥。短い二日間に、これだけの山の表情を一緒に味わえたことは、幸運だった。
夏になれば、いよいよ穂高へ。次の山旅がもう動き出している。


コメントを残す